ようこそ!ピアノのKazumi先生の音楽よもやま話です。

〜Kazumi先生〜
音楽談話室


■ピアノの歴史
■ピアノの歴史
◆みなさんはクラヴィーアという鍵盤楽器をご存じですか?「ピアノの歴史」はまずこのクラヴィーアからお話ししなければなりません。
 
3種類の鍵盤楽器を、実はクラヴィーアと呼んでいます。
まず一つ目は、バロック時代以前から長く使われていたチェンバロ(ハープシコード)。二つ目はチェンバロの後に登場したピアノフォルテ。そして三つ目はドイツを中心に使われていた、小型のクラヴィコードです。
 
モーツアルトが活躍した18世紀後半は、まさに鍵盤楽器交代の時代で、彼の残した手紙などを読むと、クラヴィーアという言葉が沢山出てきます。
 
3種類の中でも、ピアノフォルテが現代のピアノの原形とされ、1700年頃、イタリアの楽器製造者クリストーフォリによって作られました。
 
はじめはクラヴィチェンバロと呼ばれ、これまでのチェンバロでは表現できなかった、強弱を自由に表現することが出来るようになり、簡略化され、ピアノフォルテ、またはフォルテピアノと呼ばれるようになったのです。
 
そして150年あまりの歳月をかけて進化し19世紀の半ばには現代のグランドピアノとほぼ同じ楽器に到達したといわれています
 
※写真提供↑:佐藤裕一氏制作18世紀フランス様式チェンバロ。リンク集にバナーがあります。
■オペラの誕生っていつごろ?
■オペラの誕生っていつごろ?
◆みなさんはオペラというものを見に行ったことがありますか?音楽と劇、そして豪華な舞台と衣装・・・とてもすばらしい舞台ですよね?さて、今回は、このオペラがいつ頃誕生したのかお話しさせていただきます。
 
16世紀末、イタリアにバールディ伯爵という音楽好きの裕福な貴族がいて、彼はサロンに芸術家を沢山集めていました。彼らはカメラータと呼ばれ、常にみんなで新しい音楽を求めていたそうです。
 
そして彼らは、古代ギリシャ悲劇を理想として、ドラマ・ぺル・ムジカ(音楽のための劇)とか、メロドラマ(旋律劇)というものを作りました。
 
メロドラマって今は何故か日本語のように使われてますよね?これが17世紀中ごろ、オペラ・イン・ムジカ(音楽に置ける諸作品)というものになり、これからオペラという名称が誕生したのです。
 
では、一番古いオペラの作品ってなんなんでしょうか?それは、今現存するものでいうと1600年に発表されたペリーとういう作曲家とヌッチーニの台本による<エウリディーチェ>というものです。(私は見たことがないので、内容をお話しできません。すみません。)
 
私自身オペラは大好きです!特にモーツアルトの「魔笛」が好きですね〜。(チケットが高いのでなかなか行けないですが・・・。)オペラをまだ見たことのない方、本当に是非いってみて下さい!音楽・劇・舞台・・・まさに総合芸術です!!
 
※写真↑は歌劇「魔笛」の一場面。
 
■グレゴリオ聖歌
■グレゴリオ聖歌
◆最近の日本は不況のせいか"癒し"という言葉をよく聞くようになりましたね。音楽の世界でも"癒しブーム"が到来し、CDコーナーに行くと、いろんな癒し系DCがでています。中でもわたしのお気に入りはグレゴリオ聖歌です。今回はこのお話をしましょうね。
 
グレゴリオ聖歌は、ローマ・カトリック教会の、典礼のための音楽で、キリスト教音楽の原点です。5〜7世紀、ローマ・カトリック教会教皇、グレゴリウス1世(590〜604在位)が中心となり、歴代の教皇、僧などによって制定されたと言われています。
 
それから実に15世紀末頃まで、書き記され蓄積され、現在まで歌い続けられているのです。歌詞は原則的にラテン語、まれにヘブライ語、ギリシャ語が入ることもあります。あまりおおくを語ると難しい話しになるので、おおまかにお話ししました。
 
最近徳島県の"大塚美術館"に行き、様々な礼拝堂の壁画(陶版)を鑑賞していると、ちょうどその時グレゴリオ聖歌が流れてきて、なんとも言えない神秘的な気持ちになりました!宗教を問わず何世紀もの間、人々によって語り継がれてきた音楽のすばらしさ!素晴らしい芸術に触れる体験をしたひとときでした。
 
※写真↑は大塚美術館、礼拝堂壁画、ジョット作く<スクロビェーニ>
 
■音楽史上の不思議話
■音楽史上の不思議話
◆日本では、年末が近づくとベートーヴェンの第九"合唱"がよく演奏されますよね。今回は"第九"にまつわる不思議話をお話します。
 
多くの作曲家が交響曲を作曲していますが、ベートーヴェンは第九"合唱"を書き上げ、次の十番目の交響曲を完成させずに亡くなり、シューベルト、ブルックナー、ドヴォルザークも同じく9番目の曲とともにあの世へ旅立っていきました。
 
マーラーという作曲家は自分も9番を書けば死ぬんじゃないかと気にして、9番目の交響曲を"第九"とせず、"大地の歌"と名付けました。ところが、その後マーラーは迷信を否定して、第九番と命名した曲を作ったあと、なぜか持病の心臓病が悪化し、あの世へ行くこととなり、不吉な9番組の仲間入りをしたわけです。
 
いずれにしろ"第九と死"の関係は、音楽史上の不思議な物語ではあります。
 
※イラスト↑はKazumi先生自筆のベートーベン似顔絵です。
 
 
■ド・レ・ミの誕生はいつごろ?
■ド・レ・ミの誕生はいつごろ?
◆現在私たちは、ドレミファソラシという階名を使いますが、一体いつ頃生まれたのでしょうか?
 
音に名前をつけようという考え方は、古代ギリシャ、インド、中国、日本にも古くからありました。ドレミ階名の直接の起源は、中世の修道僧グイド・ダレッチョ(995〜1050)によって完成されたと言われています。
 
グイドは「聖ヨハネ賛歌」の "あなたのしもべ達がUt Ueont Iaxis"という旋律の歌詞から、その頭文字をとって階名にしました。
 
各音は、ウト・レ・ミ・ファ・ソル・ラと名づけられたのですが、ここには、ドとシがありませんよね?そこで17世紀になり1600年頃、シが1650年頃、ドが誕生し、今日にいたったわけです。
 
「聖ヨハネ賛歌」というのは、6月24日の"洗礼者ヨハネの祭り"のための歌で、歌詞は"あなたの好意のすばらしさを、ほめたたえられるように、この汚れた唇の罪を取り除いてください。聖なるヨハネよ。"という意味になります。
 
歌詞の頭文字をとった・・・なんてちょっと以外ですよね?
 
※楽譜は「聖ヨハネ賛歌」。頭文字を丸で囲んでいます。
 
 


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