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奈良仏像巡礼
2010.05.30
カテゴリー:歴史
「奈良仏像巡礼~阿修羅像を中心に~」のタイトルで、講師に奈良国立博物館 学芸部長 西山 厚氏を招き、よみうり堺文化センターで講演が催された。かねがね仏像には興味があったが、知識がとぼしいので、機会があれば話を聞くことで、より楽しむことができるだろう!と参加した。
昨年開催された「国宝 阿修羅展」では、東京91万人、九州74万人、地元奈良興福寺25万人、合計190万人の入場者があり、一大阿修羅像ブームを巻き起こした。
過去の展覧会で最高の入場者を迎えたのは「モナリザ展」次に「ツタンカーメン展」、国内の作品ではこの「阿修羅展」が最高の入場者を迎えたそうで、前出の二つの展覧会は長蛇の列を並んで鑑賞したが、残念ながらこの阿修羅展は何故か拝観できなかった。
西山氏の話では、「仏像を鑑賞するとき「いつ」「だれが」「なんのために」作ったのかを知った上で鑑賞するのと、そうでないのとでは、思いが違ってくる」とのことで、ユーモアを交えた氏の講演は本当に楽しめた。
阿修羅像は光明皇后が、733年他界した母、橘三千代(藤原不比等の妻)の菩提の為に、興福寺内に西金堂を建立し、一年がかりで28体の仏像を作らせ寄贈。そのうちの「八部衆」(仏教を守る仏)の中の一体であると説明された。
聖武天皇と光明皇后の間には皇子が生まれたが、1歳で亡くなり、光明皇后は亡き母とその幼くして他界した我が子を思い、冥福を祈り供養したようだ。そのせいか阿修羅像は美少年のイメージがあり、人を魅了するのかも知れない。
画像を検索したらこのような動画を見つけた。興味のある方はどうぞ。
他にも一番高く掲げられた手には元来太陽と月を持っていて、これが日食と月食に関わりがあるなど面白い話を沢山聞くことができ、先日の飛鳥路とあわせて、私にとっても今年は奈良と縁深い年になりそうな気がする。
阿修羅像とは関係ないが、先般訪れた聖徳太子生誕の地「橘寺」。馬は太子の幼少のころの愛馬で実物大とされている。