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第71回 令和最初の正倉院展
2019.11.04
カテゴリー:歴史
令和元年の正倉院展は10月26日から開催され先日訪れたが、今年は即位を記念して東京国立博物館で「正倉院の世界展」が開催され、好評の宝物はそちらで展示されているようで、些か物足りなさを感じる展示だった。
ただ来年4/18~6/14の2ヶ月に渡り奈良国立博物館では、特別展「よみがえる 正倉院宝物」~再現模造にみる天平の技~と銘打って多くの宝物と天平の技を見ることができる。特に五弦の琵琶(現在は東京国立博物館で展示中)が展示されるらしいが、見事な螺鈿の装飾を再現し優雅で眩いほどに美しい。
この琵琶は「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」と名付けられている。平成22年にガラス張りケースで両面公開されたが、大変な混雑で止まって見ることが許されなかった。ずっと以前に裏面のみ再現したのを展示したことがあって、記念にそのデザインのハンカチとファイルを買った。全面展示のときは同様にファイルとキーホルダーを買い今も愛用しているが、10年近くも経つとかなりくたびれてきた。
琵琶と言えば武満徹作曲、「琵琶、尺八、オーケストラのための曲」をサイトウ・キネン・オーケストラで聞いたことがある。あのような装飾がふんだんに施されたものは、実際の演奏には適さないので、シンプルな琵琶で演奏された。琵琶の演奏は普段めったに聴くことが出来ないが、平家物語を連想する優美で、もの悲しい音色はタイムマシンに遭遇したような世界だった。
奈良公園の鹿は有名だが、これまでこんなに可愛いバンビーは見かけなかった。