黒い車黒服の運転手そして黒い猫

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日が暮れて万歩計歩数が少ないと気づき、薄暗かったが家に近い通路を歩くことにした。道路の一角を曲がりかけたとき、真っ黒な猫（多分子猫）がニャオニャオと慌ただしく泣きながら、フルスピードで真っ黒い車を追っかけていった。

何事かと立ち止まって振り返った。何台か駐車している駐車場のところで、その黒い軽自動車は停車し、中から黒服の男性が下りてきた。黒い子猫はようやく車にたどり着いたが、黒服の男性は猫を待っていたわけでなく、スタスタ脇道にそれていった。

その後どうなったか？確かめたかったが、そんな光景をバカみたいに眺めている自分がチョット恥ずかしい気がして、その場から離れ自分の進む方向に曲がってしまった。

たかが黒子猫がミャオミャオ鳴いて黒服男の車を追っかけていっただけのことだが、今思うとその泣き方が異様だったから、確かめれば良かったと後悔している。親愛の情あふれたあの鳴き声が気になって仕方ない。あれは何だったのだろう。

最近黒い猫に惹かれている今日この頃の私。

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